狸仙時局考
横田めぐみさんの真相
日本維新の会の石原慎太郎共同代表は12日夕、北朝鮮による拉致被害者の横田めぐみさんについて「非常に日本的な美人だから、強引に結婚させられて子どもまで産まされた。誰か偉い人のお妾さんになっているに違いない」と述べた。横浜市内の街頭演説で語った。朝日新聞デジタル 7月12日(金)20時14分配信
日本維新の会の石原慎太郎共同代表は12日、横浜市で街頭演説し、北朝鮮による拉致問題を非難する中で、被害者の横田めぐみさんについて「非常に日本的な美人だから何になっているか分からない。強引に結婚させられて子どもも産まされた。偉い人のおめかけさんになっているに違いない」と述べた。配慮を欠く発言として批判も出そうだ。時事通信 7月12日(金)23時13分配信
私見
右の報道を評するならば、「横田めぐみさんの両親に対する配慮の有無」を問題にする時事通信の姿勢は明らかに間違っている。「配慮をしなくても良い」というのではない。そもそも報道という行為自体が、常に被報道対象に対する配慮を欠く姿勢で行われているからだ。政治家石原にたいする配慮を欠く報道として批判さるべきは時事通信である。そんなことも自覚しないで、記者にいけしゃあしゃあと、こんなことを謂わせる経営者は大きな誤りをしているのである。
石原を庇うつもりはない。しかし横田めぐみさんの現況に対する憶測は、すでに飯山一郎が「横田めぐみさんと金正恩」と題する著書で持論を展開し、しかも相当売れている。その内容の是非はここで論ずべくもないが、同著の内容には予て耳にすることも多く、一概に無視することはできない。その真否をマスコミがどう見るのか、読者と社会はそれを知りたいのである。これに応えて、少しでも真実に迫るのがマスコミの使命であろう。
ゆえに、こと本件に関する限り「配慮が欠ける」のはマスコミの方である。公表された飯山説を、そのまま傍観しているマスコミこそが、横田夫妻に対する配慮を欠いているのである。然るに、時事通信にせよ朝日にせよ、飯山説のような異種情報を少しでも検証する努力をしたのか。能力がなくて検証しないのなら、己の無能を自覚して常に謙虚な報道姿勢を保つべきである。
それとも他の理由で、検証を避けているのか。そうだとしたら、特定の意図を隠したままで現状のような報道を続けるマスコミは、読者を欺く人類社会の敵たる存在を自覚せよ。
平成25年7月13日 落合莞爾